プレゼント

チルチルミチルの青い鳥、それは本当の奇跡の証。

Avril Lavigne『Goodbye Lullaby』(11.03.02)

グッバイ・ララバイ

 濃い緑の色味、美しい金髪の女性、その名アヴリル・ラヴィーンが写っている、華麗なジャケットに期待を膨らませてもらえたら、嬉しいなと、思います。このアルバムの最後の方には、「ねえ、子守唄ってどういうの?」と、彼女の、美しい述懐が、書いてあったりしますね。はるかはるか遠い昔から、音楽はこの世にあり、その中に、自分があり。音楽を愛する、あまめくあまたすべてのひとの、好意と、すこしのデンジャラスな欲求に、応えるように、このアルバムがあります。

 歌を歌う。髪を、金色に脱色する。カラコンを入れる。もっと自分に、見えるように。どうして、ひとは化粧をしたり、はたまた眉毛を短くしたり、はたまた、脱毛をしたりするのでしょうか。理由は、きっとひとつ。もっと自分に、なるために、です。アヴリルの写真と、アヴリルの聞こえてくる声は、ちょっとはすっぱと、おっとりで違いがあり、そのことを、この祈りに満ちた時間帯のあとからは、あたりまえ、当然のこととして、感じていかなければ、なりません。

 日本が好きなことで知られる彼女であります。そうして、繰り返し、繰り返し、高い知能を、隠しながら、愛するもののことを、グラムロックに、乗せて祈るように、あきらかに歌っています。

 昔、日本には、名アナウンサー、逸見政孝というひとがいました。もし、逸見さんが生きていらっしゃったら、目を細めて聞いてくださっているだろう、と、あたしはなぜかそう思いました。

 アヴリル・ラヴィーンは、本当は、ピアノパターンのトラディショナルな、SSWに、なりたかったのだと、あたしは、デビュー当時から、知っています。けれど、プロデューサーやら、契約の都合で、彼女はグラムロッカーになりました。しかし、けれども、悔やんだことなど一度もないだろう、と、あたしはよくわかるように、なりました。

 ひとが生きる道は、誰がセレクトしても、必ずひとつしかない、オリジナルの、洗練された立法として、存在しています。彼女は、もしも、浜崎あゆみが、英語詞で、英語圏で活動していたら、どうだ? というパターンの、活動をされています。

 いつまでも、あなたの道が、尊く、高く届くよう、祈っています。夢のように、あなたは、大きな音楽家になりました。本当にスラーは、長くあなたに応えてくださったなあ、と、感涙しています。いつでも、いつまでも、道が開け、あなたが、あなたの声で、歌い続けられますように。